【社労士が教える労災認定の境界線】第347回 現場監督が落雷を受けて死亡

2022.11.28 【安全スタッフ】
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災害のあらまし

 S建設株式会社はA県にある高級リゾートホテルに併設されたゴルフ場の建設を行っている。工事を始めて間もなく悪天候が続くようになり作業に遅れが生じたため、多少の雨が降っても作業が行われるようになった。用地の造成が終わり、同社の従業員である現場監督Gが見回っていると、突然雷を伴う激しい雨になったため急いでその場所から30mほど離れた作業小屋へ避難しようとしたが、たどり着く前に落雷を受け死亡した。

 被災した地域はいわゆる「雷の通り道」と呼ばれていることから、作業開始前に当日の天気予報を確認していた。作業場所は広範囲にわたって平らな土地が続き、作業小屋の他には適当な避難場所がなかった。

判断

 原則として、地滑り、落雷などの「天災地変」により被災した場合は業務上の災害とされないが、作業場所の立地条件や作業条件・作業環境などにより、落雷による災害を被りやすい事情にあったため業務上災害とされる。

解説

1.天災地変とは

 「天災」とは、台風や雷、地震や洪水など自然現象によってもたらされる災害のことをいい、「地変」とは地面に起こる異変のことをいう。自然界によって…

執筆:一般社団法人SRアップ21 山形会
池田社会保険労務士事務所 所長 池田 順一

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2022年12月1日第2415号 掲載
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