【時代に沿った就業規則のアップデート】第23回 非正規労働者への対応② 褒賞・手当は目的次第 待遇差の理由説明準備を/岩出 誠

2022.12.15 【労働新聞】
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契約社員に継続見込み

 非正規労働者の待遇の不合理性審査は、パートタイム・有期雇用労働法8条に定められているとおり、「待遇のそれぞれについて、……当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮し」、個々の賃金項目などの性質・目的などを個別考慮して、不合理性の存否判断がなされる(日本郵便〈佐賀〉事件・最一小判令2・10・15など)。

 家族手当については、最高裁判例で判断が分かれている。日本郵便(大阪)事件最判では、扶養手当は、長期・継続的な勤務が期待される正社員の生活保障や福利厚生を図り、扶養親族のある者の生活設計を容易にさせることで、継続的な雇用を確保する目的であるが、この趣旨は、契約社員でも「相応に継続的な勤務」が見込まれれば該当するとされ、不支給は不合理とされた。他方、長澤運輸事件最判では、家族手当は、その支給要件および内容に照らせば、従業員の家族を扶養するための生活費に対する補助として、支給されるものであるとしたうえで、定年後再雇用における年金支給などを理由に不合理性を否定した。とすると、定年後再雇用でなかったら不合理となった可能性がある。…

筆者:ロア・ユナイテッド法律事務所 代表パートナー弁護士 明治学院大学 客員教授
岩出 誠

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令和4年12月19日第3381号6面 掲載
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