【歴史と事例から学ぶ!賃金制度設計】第19回 両立の賃金制度の構築② 最賃は競争力高めるか 労働移動に諸外国も苦戦/西村 純
2022.12.15
【労働新聞】
産業超えると賃金低下
「日本版同一労働同一賃金」、「官製春闘」、「最低賃金の引上げ」など、賃金水準の底上げ政策が継続して行われている。政府の意図として賃金水準を上げていくことがめざされている。図で示した最低賃金の引上げ状況を見ると、その意図がひしひしと感じられる。そもそもなぜ賃金水準の上昇が求められるのか。理由の1つは、労働者の生活水準の維持・向上であろう。セーフティーネットとしての賃金の面から賃金水準の引上げが求められている。しかしながら、賃金の最低水準規制は、労働者保護の観点からのみ論じられてきたわけではない。古典的な議論を振り返ると、そこには企業や経済社会の競争力の向上ももたらされるとされてきた。つまり、…
筆者:労働政策研究・研修機構 副主任研究員 西村 純
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令和4年12月19日第3381号11面 掲載