【新春特別寄稿】2023年賃上げ予測 8000円台めぐる攻防か/菊谷 寛之 ベア含め2%台半ば/赤津 雅彦 21世紀最高の2.4%/小林 真一郎
賃金コンサルタントと民間シンクタンクの研究員の3氏に、今春の賃上げを予想していただいた。労働側が5%の要求を掲げるなか、現実的には3%への到達は難しいとの見解で一致した。産業界に賃上げ容認ムードはあるものの、大手製造業の景気判断DIが4期連続で悪化するなどマイナス要因もあり、物価上昇分のカバーは困難か。
8000円台めぐる攻防か/プライムコンサルタント 代表 菊谷 寛之
IMFの見通しでは、ウクライナ戦争の長期化と急速なインフレ・利上げの影響が続くなか、2023年は米国・欧州・中国で景気が失速し、世界の成長率は昨年の3.2%から2.7%に減速する。
日本の場合は、物価上昇による賃金の目減りが消費の実質を一段と低迷させる。
昨年、厚生労働省が集計した民間主要企業の賃上げは、6898円、2.20%と前年を若干上回った。しかし…
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ベア含め2%台半ば/賃金システム研究所 代表取締役 赤津 雅彦
昨年の賃上げ結果を振り返る。国全体の賃上げ実態に近い中小規模をも含んだ「賃金引上げ等の実態に関する調査」(厚労省、常用労働者100人以上の2020社)によると、1人平均賃金の改定率は、大手企業(5000人以上)が2.0%、中小(100~299人)が1.9%、規模計では1.9%(5534円)で、額で前年よりも840円上回った。
大手は、厚生労働省発表(民間主要企業・358社)で、定昇込み2.20%(6898円)。経団連発表(従業員500人以上の16業種135社)によると、…
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21世紀最高の2.4%/三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 小林 真一郎
2023年の春闘は久し振りに高い伸び率で妥結しそうだ。
春闘での賃上げ率に影響を及ぼす諸点を整理すると、まず景気はコロナ禍を脱しつつあり、緩やかに回復している。先行きについては、世界経済の悪化や物価高による個人消費の減少により、景気の腰折れの懸念が高まっている。しかし、23年はコロナ禍による経済社会活動の制限がほぼ解消されるアフターコロナ期に移行すると期待され、…
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