【対応力を鍛える人事学探究】第17回 総合職が転勤命令を拒否 地域職と給与に差額 返還認められる可能性あり/小山 博章
2023.01.12
【労働新聞】
懲戒処分以外の選択も検討
全国転勤がある前提で雇用契約を締結している従業員に対して転勤を命じたところ、当該従業員がこれを拒否した場合、会社としてどのように対応すべきか。会社(使用者)側で労働事件の相談を受けていると、クライアントからこのような相談を受けることがしばしばある。
まず、会社の対応として考えられるのが、転勤命令拒否を理由とした懲戒処分である。有効な転勤命令を拒否した場合には、重大な業務命令違反として企業秩序に多大な悪影響を及ぼすため、転勤命令拒否を理由とした懲戒解雇が有効と判断される可能性が高い。なお、慎重を期して、最初から懲戒解雇などの重い懲戒処分を科すのではなく、転勤命令を発出したうえで、それを拒否した場合にまずは軽い懲戒処分を科し、それでも従わない場合には重い処分を科す、という手順を踏むこともある。…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 小山 博章
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令和5年1月16日第3384号12面 掲載