【社員がなじむ組織へ オンボーディング実践術】第1回 転職社会を生き残る組織力 少子化で人材争奪戦 採用後の定着も課題に/尾形 真実哉

2023.01.12 【労働新聞】
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研修に限らないサポート

 新入社員を会社になじませ、パフォーマンスを発揮させる「組織になじませる力」をオンボーディング(On-boarding)という。オンボーディングとは、船や飛行機に乗っているという意味だ。それを会社にたとえ、新卒採用者であれ、中途採用者であれ、会社という乗り物に新しく加わった個人を、同じ船(会社)の乗組員として、なじませ、一人前にしていくプロセスのことを意味している。学術の世界ではオハイオ州立大学のクレイン教授とイースタンケンタッキー大学のポリン准教授が、「新入社員の適応を促進する組織やエージェントによって従事される公式・非公式な訓練、プログラム、政策」とオンボーディングを定義している。オンボーディングというと、研修がそれに該当すると思う人が多いかもしれないが、新しく組織に参加してきた個人の円滑な適応をサポートするものすべてを指している。

 今、日本企業に「組織になじませる力」が求められている。

 以前の日本企業は、入社してから退職するまで、1つの企業で勤め上げる終身雇用が当たり前だった。働く個人のキャリア形成は企業に委ねられており、…

筆者:甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉

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令和5年1月16日第3384号11面 掲載
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