【社員がなじむ組織へ オンボーディング実践術】第6回 “2年目の憂鬱”とその克服 余裕生まれ離職検討 研修などサポート継続を/尾形 真実哉
2023.02.16
【労働新聞】
現実みえて不満が発生
前回まで、主に新卒入社者が組織になじむうえでの課題(リアリティ・ショック)やその抑制方法(RJP=職務に関する事前の正確な情報提供)、新入社員研修に求められる内容について論じてきた。これらは、入社1年目の社員に対するものであったが、キャリア初期の円滑な組織適応のターニングポイントは、入社2年目である。
スポーツの世界においても「2年目のジンクス」という言葉をよく耳にすることがあり、「2年目」は何らかの特徴を有していると捉えることができる。新人ではなく、しかしながら、それほどのスキルや知識もない。まだまだ教えてほしいことが多いのに、後輩ができて、格好悪い姿もみせられない。ある程度の自律性も与えられるようになるが、自律的に動くのも難しい。このような状況は2年目特有の心理を生み出す。それを“2年目の憂鬱”と名付けた。
なぜ“2年目の憂鬱”が生じるのか。1つ目の要因が「可視性の高まり」である。1年目では、…
筆者:甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉
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令和5年2月20日第3389号11面 掲載