【対応力を鍛える人事学探究】第22回 退職後の競業避止義務 期間の限定検討を 対価に代償措置導入も/坂井 瞭平
2023.02.16
【労働新聞】
入社前からの顧客に営業し
会社は、ノウハウ、営業上の秘密、顧客などといった会社の利益を守る観点から、従業員に対して退職後の競業避止義務を課すことがある。退職後の競業避止義務は、在職中のそれとは異なり、労働契約に付随して当然に認められるものではなく、就業規則や別段の合意が必要とされている。また、社員の職業選択の自由に対する制約が大きいため、限定的に解釈される。そのような退職後の競業避止義務について、限定的に解釈し、違反を認めなかったケースとして、レジェンド元従業員事件(福岡高判令2・11・11)を紹介する。
同事件は、保険代理店業を営むX社が、元従業員であり平成29年に同業他社A社に転職したYに対し、X社在職中および退職後に、A社のために営業活動し、競業避止義務に違反したとして、損害賠償を求めた事案である。Yは、20年にX社に入社する以前から個人事業主として保険代理店業を営んでいた。その時に…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 坂井 瞭平
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令和5年2月20日第3389号12面 掲載