【社員がなじむ組織へ オンボーディング実践術】第8回 中途入社者に必要な研修の内容 強みを残して“脱色” 前職経験の良いとこ取り/尾形 真実哉
2023.03.02
【労働新聞】
新卒より教育段階多い
前回は中途入社者が組織になじむうえでの6つの課題を示し、中途入社者に対してこそ、充実したオンボーディング施策が重要であることを論じた。その理由を、新卒入社者の場合と比較しながら考えてみたい。
組織に適応していく過程で、中途入社者が新卒入社者と大きく異なるのは、アンラーニングが求められる点である。中途入社者の場合、前職での仕事経験から、前職での「色」が染みついた状態で入社してくるため、その色を落とす作業が必要となる。この段階(脱色段階)がアンラーニングである。一方で新卒入社者は、仕事経験や社会人経験を有していないタブラ・ラサ(真っ白)の状態で入社してくるため、すぐに自社の色に染めていく段階(染色段階)から教育をスタートさせることができる。
つまり、新卒入社者は「入社→染色段階」という2段階のプロセスなのに対し、中途入社者は「入社→脱色段階→染色段階」の3段階のプロセスを要することになる。「脱色」と「染色」、それぞれの段階で異なる教育を行う必要があり、中途入社者の方が新卒入社者と比べて1つ段階が多い分、より充実した教育が求められているのである。
今回は中途入社者に必要な研修の具体的内容3点について論じていきたい。…
筆者:甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和5年3月6日第3391号11面 掲載