【裁判例が語る安全衛生最新事情】第412回 兵庫警察事件 パワハラ認めるも安配義務違反は否定 神戸地裁令和4年6月22日判決
2023.03.10
【安全スタッフ】
事件の概要
原告X1と原告X2は、亡Aの両親である。亡Aは、平成21年兵庫県警に採用されて、警察学校に入校した後、平成22年1月末に同校を卒業し、同日から巡査として勤務し、平成24年9月から機動隊勤務となった。機動隊の任務は、大規模災害発生時の人命救助活動や、山海などで遭難事故が発生した際の人命救助活動、要人などの警護、重要施設の警戒などであった。機動隊には先輩のB巡査長、小隊長Cがいた。
X1らは、亡Aが、BまたはCからパワハラを受けて、うつ病になり、自殺したとして、被告Y(国)に対して、①国家賠償法1条1項、または、②安全配慮意義務に基づく損害賠償請求(いずれかの選択的併合)を内容とする訴訟を提起した。
判決の要旨
1、先輩Bのパワハラ
(1)ミス一覧表の作成・提出を命じた行為
Bが、亡Aに対して、平成27年7月ごろ、ミス一覧表の作成提出を命じた行為は、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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2023年3月15日第2422号 掲載