【定着・成長を促す!メンバーシップ型パート活用法 正社員育成編】第9回 研修の実施③ 過去の汚点を教材に 慣習越えチームが成長/平田 未緒
2023.03.09
【労働新聞】
人間関係は修復可能
引き続き、牛丼チェーン吉野家で、店長とエリアマネジャーからなる2つのチームに対して行った、それぞれ全10回の連続研修について書いていく。
第8回
最終回まで、あと3回。両チームとも相思相愛の要件②関係性を、チーム内では作れている。具体的には「自分の胸の内を出し、他者のそれを受け取り合う」ことを自ら行った。この対話が③成長と④活躍(能力発揮)にもつながっている。
あとはこれを、店長が主体となって、店のパートに行えば良いだけだ。この大きな転換点において、彼らに必要な気付きはなんだろう。そのためには、どんな研修内容とするのが良いのだろう。私は、ぎりぎりまで考えて決意した。「あれを使わせてもらおう」
「あれ」とは、かつて私が所長をしていた人材系のシンクタンクで、10年以上最も近くで仕事をしてきた部下から、2013年4月、退職間際に送られてきたメールである。そこには、独立起業のため、引き継ぎや残務処理を急ぐ私に対する、痛烈な非難が書かれていた。
「あなたは自分のことしか考えていない。あなたのメールによる指導は、到底受け入れられるものではない。これまで私がどんな思いで、仕事をしてきたと思っているのか」と。…
筆者:㈱働きかた研究所 代表取締役 平田 未緒
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令和5年3月13日第3392号13面 掲載