【イラストで学ぶ身近なリスクと対策】第37回 ピッキングトラックの災害
1.はじめに
陽春の候、春日(永日)のどかな季節となりました。平成23年(2011)年4月に始まった連載は今回で13年目に入ります。全事業所で想定される身近なテーマにしているので、「安全衛生委員会での配付資料・教材・掲示物に活用」などの声を頂いています。ここまで来られたのは「読者の方々の応援の力」と精力的なイラストレーターのお陰です。これらの声を励みにして、来月以降も気力と体力の続く限り、しばらく継続します。
今月のテーマは、「オーダーピッキングトラックの災害」です。
オーダーピッキングトラックは、「荷役装置とともに動く運転台に位置する運転者によって操縦するフォークリフト」で、「フォークに隣接した運転台で、運転者が操縦」するので、他のフォークリフトと異なる危険性が想定されます。
2.フォークリフトについて
フォークリフトは「荷を積載するフォーク・ラムなどの装置、およびこれを上下させるマストを備えた動力付き荷役運搬車両」で、事業場のさまざまな場所で多様な荷姿の荷役運搬作業を行うことができます。利点は、ハンドルの切れが大きく、車体が小型化されており、「小回りが効き、基本的には後輪操舵」です。利点は難点になることがあり、積荷を必要以上に高くしたり、フォーク先端近くにつり荷をして急旋回を行うと転倒する危険性があります。
主なフォークリフトは、①カウンターバランスフォークリフト、②リーチフォークリフト、③オーダーピッキングトラック、④サイドフォークリフト、⑤ウォーキーフォークリフトの5機種ですが、それぞれ用途が違います(図)。「フォークリフトの安全5原則〔日本通運㈱〕」は、①出すなスピード、②絶対するな急旋回、③荷物の前で一旦停止、④進行方向への100%指指し呼称、⑤人を入れるな作業半径です。…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長
中災防安全衛生エキスパート 中野 洋一
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