【対応力を鍛える人事学探究】第28回 団交時の不適切な言動 直ちに不当といえず 組合の態度など踏まえ判示/湊 祐樹
2023.03.30
【労働新聞】
議論の白熱で口調強くなり
団体交渉の場面においては、議論を進めるうちにヒートアップしてしまい、不適切とも思える言動がなされてしまうことがある。これは労働者側からも、使用者側からも、いずれからもなされる可能性があるもので、そのような言動が行われた場合には往々にして場が騒然としてしまい、そのまま団交を継続することが適切ではないと思われることもある。
他方で、労働組合との団交を正当な理由なく拒否した場合や誠実に交渉に応じなかった場合には、不当労働行為(労働組合法7条2号)となるとされている。不適切な言動があった場合においても団交を継続しなければならないのか、そのほかの方法があるのか、本稿では、この興味深い論点に関連する大久保自動車教習所事件(東京地判令4・2・2)を紹介する。
本件は、京都府労働委員会の命令、中央労働委員会の命令を経た取消訴訟であるところ、…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 湊 祐樹
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令和5年4月3日第3395号12面 掲載