【人的資本経営期のHR用語集】第30回 ノーレイティング 環境に左右されず 評価制度の課題へ対応/木谷 宏
2023.04.13
【労働新聞】
個々人は“絶対”で査定
人事評価とは従業員の状態を把握して管理に反映する行為であり、経営戦略を実現するうえで合理的かつ公平でなければならない。たとえば国籍や性別が評価に影響することは、企業価値の最大化という経営目的において非合理となる。また公平であるには評価エラーの回避と手続きの透明性が必要であり、評価基準、プロセス、結果などを公開することで被評価者の納得性は高まる。こうして個人の能力と成果を厳密に評価してSABCなどのランク付け(レイティング)を行うことで、適切な処遇格差と多様なキャリアの実現へと人事管理は向かうはずであった。
しかし、一方でランク付けを行わない評価方法(ノーレイティング)が欧米企業を中心に広がりをみせている。…
筆者:県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏
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令和5年4月17日第3397号12面 掲載