【裁判例を踏まえた非典型労働時間制の要点】第4回 専門業務型の裁判例① 裁量などを個別検討 労使協定のみでは不十分/平良 亜大
2023.04.20
【労働新聞】
省令と告示により19業務を限定列挙
第4回は裁量労働制のうち専門業務型について、いかなる業務に同制度が適用されるかに着目して取り上げる。前提として、専門業務型裁量労働制とは、業務の性質上その遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるものについて、実労働時間ではなく、労使協定で定めた時間だけ労働したものとみなす制度(労基法38条の3第1項)であり、実労働時間の長短にかかわらず、労働の質や成果による報酬支払いを可能とするものである。
専門業務型裁量労働制の適用対象となる業務(以下「対象業務」)は、厚生労働省令(労働基準法施行規則〈以下「労基則」〉24条の2の2第2項各号)および告示(平成9年労働省告示第7号、平成14年厚生労働省告示第22号、平成15年厚生労働省告示第354号)で限定的に列挙されており、現在19種類が対象となっている(令和6年のM&A業務の追加については当連載第2回参照)。
専門業務型裁量労働制を導入する場合、…
筆者:髙井・岡芹法律事務所 弁護士 平良 亜大
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和5年4月24日第3398号6面 掲載