【特別寄稿】リフター使用 教育が必要に 荷役作業での転落防止対策強化へ/厚生労働省建設安全対策室長 土井 智史
2024年(令和6年)2月以降、テールゲートリフターを使って荷の積み卸し作業をする場合、労働者への特別教育が必要になる。貨物自動車からの墜落転落災害の防止対策を強化するのが目的だ。本欄では、特別寄稿として、厚生労働省の土井智史建設安全対策室長に上記のほか、本年10月に施行される保護帽の着用義務の拡大などの内容を含め省令改正の内容や解説を中心に執筆頂いた。
教育や保護帽の着用で規則改正
物流は国民生活や経済活動を支える不可欠な社会インフラです。
貨物自動車はその中心的な役割を担っていますが、貨物自動車の荷台などからの転落事故が後を絶たない状況にあり、厚生労働省ではこうした労働災害を防止するための取組みを進めています。
令和5年3月28日、貨物自動車からの墜落転落災害の防止対策の強化を内容とする改正労働安全衛生規則(以下「改正安衛則」という)が公布され、貨物自動車に荷を積む作業、荷を卸す作業(以下「荷を積み卸す作業」という)における安全確保対策が強化されました。
貨物自動車の後面に設置されている荷を積み卸すためのリフト(テールゲートリフター)は、食料品スーパーの荷卸し作業などでよく見かける馴染みのある装置ですが、令和6年2月以降、テールゲートリフターを使用して荷を積み卸す作業を行う場合には、労働者への教育(特別教育)が必須となります。
このほか、荷を積み卸す作業時の昇降設備の設置や保護帽(ヘルメット)の着用についても関係規則の改正が行われています。
関係の皆様におかれましては、改正安衛則の内容を十分にご理解いただき、自社での教育の実施、労働災害防止団体などが行う講習の活用などを通じて必要な方々に教育を実施していただきますとともに、昇降設備や保護帽などの対応の準備を進めていただきますようお願い申し上げます。
また、陸上貨物運送事業労働災害防止協会(以下「陸災防」という)では国の補助事業により本年5月から改正安衛則の説明会を開催する予定ですので、関心のある方はご参加下さいますようお願いします。
1 法令改正の概要
改正安衛則により新たに事業者の義務となった主な事項は次のとおりです。…
執筆:厚生労働省建設安全対策室長 土井 智史
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