【対応力を鍛える人事学探究】第32回 障害者に対する合理的配慮 「話合い」の実施を 裁判所は手続き面重視/髙木 美咲穂
2023.04.27
【労働新聞】
“どこまで”の基準は不明確
近年、障害者雇用率制度などの関係で、障害者を雇用する企業が増加している。企業は、障害者雇用促進法上の「障害者」(「身体障害、知的障害、精神障害その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者」をいう〈同法2条1号〉)に対しては、“合理的配慮”を実践する必要がある。
具体的には、事業主は、過重な負担にならない範囲内で、労働者の個々の障害の特性に配慮した合理的配慮を講じることが義務付けられている(同法36条の2から同条の5)。事業主にとって合理的配慮が過重な負担かどうかは、事業活動への影響の程度、実現困難度、費用・負担の程度、企業の規模、企業の財務状況、公的支援の有無などを総合的に勘案しながら、個別に判断することとされている(厚生労働省「合理的配慮指針」第5)。…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 髙木 美咲穂
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令和5年5月1日第3399号12面 掲載