【社員がなじむ組織へ オンボーディング実践術】第16回 テレワークのネガティブな影響 新卒5割が孤独感 対面の面談機会確保を/尾形 真実哉
2023.04.27
【労働新聞】
離職につながる不安感
前回は、テレワークにおける新卒入社者の育成に関する2つの疑問(テレワークは良質な仕事経験を提供できるのか、テレワークは良質な人間関係を構築できるのか)について、日本の大手企業3社(通信業、人材業、IT業)のコロナ禍に入社した新卒入社者518人に対して実施した質問票調査の結果から、その解を示した。今回も同様のデータを用い、テレワークが新卒入社者の組織への適応にどのようなネガティブな影響を及ぼしているのか、分析した結果を示したい。
まずは、テレワークによる「ストレス」と「孤独感」である。新卒入社者がテレワークによるストレスと孤独感をどの程度感受しているかをみてみると、ストレスについては約4割の新卒入社者が、孤独感は約5割の新卒入社者が感受していることが分かった。約半数の新卒入社者が、テレワークに対してストレスや孤独感を感受しているというのは、看過できない数値である。というのも、この「テレワークストレス」と「テレワーク孤独感」は、…
筆者:甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉
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令和5年5月1日第3399号11面 掲載