【裁判例を踏まえた非典型労働時間制の要点】第6回 企画業務型裁量労働制 導入企業は1%未満 対象業務ごとで範囲変化/岡芹 健夫
人事労務部門では新制度策定が該当
裁量労働制とは、法律で所定の業務(以下「対象業務」)につき、労使協定等でみなし労働時間数を定めることで、対象業務に従事する労働者(以下「適用労働者」)については、実際の労働時間数にかかわらず、上記のみなし労働時間数労働したものとみなす制度であり(菅野和夫『労働法 第12版』545頁)、その創設の所以は、簡単にいえば、社会経済情勢の変化(とくに技術の進歩)により、その遂行の手段、時間配分の決定などを含めた業務遂行の方法を労働者の裁量に委ねる必要がある業務が生じてきたことによる。
裁量労働制には、専門業務型裁量労働制(労働基準法〈以下、「労基法」〉38条の3)と企画業務型裁量労働制(労基法38条の4)がある。本稿では後者につき説明する。
企画業務型裁量労働制の対象業務は、専門業務型裁量労働制のように省令・告示で具体的に列挙されているものではなく、抽象的に、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」(労基法38条の4第1項1号)とされている。厚労省は、告示・通達によりやや具体的に、同制度の導入可能な事業場および対象業務について規定している(表)。…
筆者:髙井・岡芹法律事務所 弁護士 岡芹 健夫
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