【人的資本経営期のHR用語集】第38回 ウェルビーイング 曖昧な究極の報酬 キャリアや時間も射程/木谷 宏
2023.06.15
【労働新聞】
幸福感とは異なる概念
昨今、「ウェルビーイング」を耳にする機会が増えている。ウェルビーイングとは幸福、健康、福祉の三者を包括的に表す概念であり、企業経営に当てはめると、従業員の“幸福”は従業員満足やワーク・エンゲージメントの向上、“健康”は健康経営の推進、“福祉”は仕事に限定しない生活支援によって実現すると考えられる。本来のウェルビーイングは「広義の健康」、つまり良好な健康状態を表しており、1946年のWHO憲章が定義した“身体的、精神的、社会的に満たされた状態”に対応する考え方である。短期的な感情を指す幸福感(ハピネス)とは異なる。しかし、なぜウェルビーイングという“広く曖昧な概念”が人々を惹き付けるのだろうか。
注目される背景の1つとして、…
筆者:県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏
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令和5年6月19日第3405号12面 掲載