【過重労働解消へ!時間限定正社員を考える】第3回 日本的ジョブ型雇用 「役割」に留まるか 職務記述書での特定範囲/寺井 基博
2023.06.29
【労働新聞】
3種類の分類軸で区分
経団連「2023年版経営労働政策特別委員会報告」は、ジョブ型雇用は主体的なキャリア形成や円滑な労働移動というメリットを持つが、査定や社員の育成ができないなどのデメリットがあるので、メンバーシップ型雇用のメリットを活かした「自社型雇用システム」の確立が望まれるとする。この自社型雇用システムが「日本的ジョブ型雇用」と呼ばれるものである。しかし、日本的ジョブ型雇用は人や組織によって認識が異なるので、以下では、ジョブ型とメンバーシップ型を区別する3つの分類軸を立てて、そこから日本的ジョブ型雇用の実相を確認したい。
分類軸①…仕事を事前に特定するか否か
ジョブ型雇用では事前にタスクの総量が確定されて、それを職務ごとに配分していくが、メンバーシップ型雇用では…
筆者:同志社大学社会学部 准教授 寺井 基博
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令和5年7月3日第3407号13面 掲載