【過重労働解消へ!時間限定正社員を考える】最終回 追求する3つの理由 異なる働き方を並立 多様な人材の活用めざし/寺井 基博
2023.07.06
【労働新聞】
家事との両立者は増加
職務や勤務地を特定しても役割が明確になるだけでタスクが限定されることはないので、円滑な労働移動や長時間労働の抑制にはつながらない。しかし、時間の限定はタスクに一定の制約を設けることができる。
たとえば「残業なし」で常に定時で退社する働き方だ。時間限定正社員は、労働時間を限定すること以外は通常の正社員(以下、無限定正社員という)と同じ働き方で、基幹労働力としての役割を担い、目標による業績管理が適用される。ただし、無限定正社員に比べると基準賃金は低くなるだろう。両立支援制度としての短時間勤務や定時退社(時間外労働の免除)は一時的な例外措置とされるが、それを通常の社員区分の1つにしたものである。もちろん、すべての正社員の時間を限定するのではなく、近年増加しつつある「時間制約のある労働者」への選択肢の提供といえる。時間制約の理由は人それぞれなので、限定・無限定の選択は性別にかかわらず労働者の判断に委ねる。…
筆者:同志社大学社会学部 准教授 寺井 基博
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令和5年7月10日第3408号13面 掲載