【男性育休推進で再考する 労働者の自律的なキャリア形成】第2回 アメックス事件の射程 育介法は女性に限らず 均等法との違い注意を/諏訪 康雄

2023.08.03 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

人事権の濫用にも該当

 育児介護休業法10条は、育児休業の取得などを理由として「解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」と規定する。育児休業は男女ともに取得できる以上、女性に対する不利益な取扱いをするのが許されないのと同様、男性が取得した場合にも不利益な取扱いは禁止されることとなる。

 したがって、経済的に不利益のない配置換えであっても、業務内容の質が著しく低下したり、将来のキャリア形成に影響を及ぼしかねない場合、上記規定に反するとしたアメックス事件東京高裁判決(令5・4・27)の論理は、男女を問わず、育児休業を取得した場合には及ぶべき性質にある。

 同判決は、「基本給や手当等の面において直ちに経済的な不利益を伴わない配置の変更であっても、業務の内容面において質が著しく低下し将来のキャリア形成に影響を及ぼしかねないものについては、労働者に不利な影響をもたらす処遇にあたる」との一般論を説示する。

 具体的には、妊娠前と同様にチームリーダーとして活躍し、会社内でキャリアを高めていくことを望む女性の育児休業取得者に、…

筆者:法政大学 名誉教授
認定NPO法人 キャリア権推進ネットワーク 理事長 諏訪 康雄

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和5年8月14日第3412号6面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。