【人事学望見】第1107回 年休不利益取扱いと最高裁判決 労基法に明定しても努力義務?
2017.07.10
【労働新聞】
労基法附則136条において、「使用者は、39条1項から4項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減給その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」との規定が、昭和62年の改正の際、法律上の明文をもって定められた。
罰則なしで解釈に混乱か
不利益取扱いの内容について、通達(昭63・1・1基発1号)は次のように述べている。
精皆勤手当および賞与の額の算定に際して、年休を取得した日を欠勤として、または欠勤に準じて取り扱うことその他労基法上労働者の権利として認められている年休の取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければならないものであることとし、さらに念には念を入れている。
年休の取得に伴う不利益取扱いについては、従来、①年休の取得を抑制する効果を持ち、法39条の精神に反するものであり、②精皆勤手当や賞与の減額等の程度によっては、公序良俗に反するものとして民事上無効と解される場合もあると考えられるという見地に立って、不利益な取扱いに対する是正指導を行ってきたところであるが、今後は、労基法に明定されたことを受けて上記趣旨をさらに徹底させるよう指導を行うものとすること。
その後に出された最高裁判決が論議を呼んだ。…
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平成29年7月10日第3120号12面 掲載