【実務に活かす!労働判例のていねいな読み方】第23回 調査官解説から読み取る(4)/藤川 久昭
2013.12.16
【労働新聞】
正確な理論的理解を 因果関係・ロックアウト
1 前回の続き
前回は、判決の理論的な部分を、調査官解説の力を借りて正確に読む、という点について、2つの最高裁判決を素材にして説明した。今回は、まず、前回の続きから始める。
前回も説明したように、使用者に対する、安全配慮義務に基づく損害賠償請求では、使用者の義務違反行為と、労働者に発生した損害との「因果関係」の有無が、理論的にも実務的に極めて重要となっている。にもかかわらず、特に相当因果関係判断のルールは、事実上、ブラックボックスであったがゆえに、労使双方にとって、結論の予見可能性が必ずしも高くなく困った状態であった。…
筆者:青山学院大学法学部 教授 弁護士・㈱DeNA 監査役 藤川 久昭
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平成25年12月16日第2949号11面 掲載