【攻略!改正労契法】第15回 雇止め法理の法定化(下) 黙示の更新避ける 無期雇用化招く問題も/安西 愈
2013.05.13
【労働新聞】
異議述べない時
1 黙示の更新の問題
今回の改正労働契約法第19条の雇止めの法定化に関して問題になるのは、有期労働契約の「黙示の更新」である。有期労働契約をしている場合には、本来ならば期間満了により雇用は終了するので、雇用期間満了後に継続して就労するためには、再契約をするか契約の更新をする必要がある。
しかしながら、このような手続きをしない場合は、期間が満了しているので、それを超えて就労することはできないはずであるが、実際には労働者が期間満了後も従前どおり同じように継続して就労していることも多く、使用者の方も「更新契約をしていないので、あなたは就労することができない」と就労を拒否すべきであるのに、それをしないで、その就労継続を知りながら異議を言わず、黙ってそのまま継続して就労することを認めている場合があり、これを「黙示の労働契約の更新」という。…
筆者:弁護士 安西 愈
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平成25年5月13日第2920号4面 掲載