【ぶれい考】「合意みなし」の不思議/野田 進

2013.02.04 【労働新聞】
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九州大学大学院法学研究院
教授 野田 進 氏

 昨年2012年は、労働法の立法政策で重要な節目の年になるように思われる。4月の労働者派遣法と8月の労働契約法の改正である。

 この2つの法改正のうちでも、特にインパクトが大きいのが、労働契約の「合意みなし」の制度であろう。1つは、労働者派遣法の改正で、派遣先の派遣労働者に対する直接雇用の「申込みみなし」であり、派遣先が所定の派遣法違反と知って役務の提供を受けたときには、派遣労働者に対し、同一の労働条件で労働契約の申込みをしたものとみなされる(平成27年10月施行)。もう1つは、有期労働契約における無期契約転換の「承諾みなし」であり、有期労働契約を更新して通算期間が5年を超えたときに、労働者が無期契約の締結の申込みをした場合には、使用者はこの申込みを承諾したものとみなされる(本年4月1日施行)。

 今年4月開始の無期転換制度はもちろん、派遣の直用転換の開始も再来年であるから、間近に迫っている。企業の人事担当者の方々は、対応に追われておられるであろう。そして、望んでもいないし、意思表示もしていないのに、何ゆえに直接雇用や無期雇用を強制されることになるのか、不本意な思いでおられる方が多いのではないだろうか。

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平成25年2月4日第2907号5面 掲載
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