【ぶれい考】個別面談を経て賃上げ/近藤 宣之
2023.08.31
【労働新聞】
今年の賃金交渉の平均賃上げ率は、3.6%だった。1990年代のはじめにバブル化した日本経済が崩壊して以来、ほぼ30年ぶりのことである。
その30年間、日本の賃金は上がらなかった。一方で、他の海外の先進国では、賃金は上り続けている。今では韓国でさえ、一人当たりの勤労者の賃金水準は日本より高い。背景には、日本の産業界、とりわけ製造業の企業が、研究・開発分野で他国に先鞭をつけても、市場が求める製品化で遅れを取ったことや、コストダウンを求めて中国でのモノづくりを優先したことなど、経営戦略上の課題もあった。
賃金交渉は,企業の経営側と、労働組合の間で行われるが、労組の推定組織率は16.5%と過去最低である(厚生労働省調べ)。そのため…
筆者:日本レーザー 代表取締役会長 近藤 宣之
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令和5年9月4日第3415号5面 掲載