【同一労働同一賃金対応 基本給に切り込む! 職務分析・職務評価】第9回 結果に基づく見直し 均衡確保が続く制度を 「偶然」の可能性考慮して/橋岡 雅典
2023.08.31
【労働新聞】
課題再整理が必要に
前回は職務分析・職務評価の結果、均等・均衡が図れていなかったA社の事例を解説した。基本給において、均等・均衡が確保されていない場合は、正社員とパート・有期雇用労働者との不合理な待遇差を解消するために、賃金制度や等級制度の見直しを検討する必要がある。
一方で、均等・均衡が確保されている場合はどうであろうか。当然、均等・均衡が確保されているのだから、正社員とパート・有期雇用労働者の間の不合理な待遇差について、問題になる可能性はないと思われる。しかし、私がコンサルティングを行った企業のなかには、均等・均衡が確保されている場合であっても、賃金制度や等級制度について検討しなければならないケースがあった。
見直しが必要なケースは、大きく次の3つに分けられる。
① 正社員には等級制度があって、賃金制度と合わせて運用されているが、パート・有期雇用労働者には等級制度がない
② 正社員にもパート・有期雇用労働者にも、…
筆者:はしおか社会保険労務士事務所 社会保険労務士 橋岡 雅典
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令和5年9月4日第3415号11面 掲載