【対応力を鍛える人事学探究】第50回 割増賃金の支払いと認められる要件 「対価性」が必要に 名目のみ置き換えは不可/宇野 由隆
2023.09.14
【労働新聞】
通常労働時間の部分と判別
労働基準法37条は、使用者が時間外・休日・深夜労働に対して割増賃金を支払うことを義務付けている。同義務は、いわば金額規制であるため、法定の方法以外で算定された一定の手当(以下「法定外算定手当」。たとえば、固定残業代など)でも、割増賃金として支払うことは可能である。
ただし、法定外算定手当が割増賃金の支払いとして認められるためには、①判別可能性、②対価性が必要である。
①判別可能性とは、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることである。…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 宇野 由隆
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令和5年9月18日第3417号12面 掲載