【人的資本経営期のHR用語集】第53回 グループ人事 投資家精神が必要 本社の人事部門には/木谷 宏
2023.10.05
【労働新聞】
管理は国内向けの例も
グループ人事とは、資本関係に基づく複数の会社による企業集団(グループ会社)において、人材を最大限に活用するために会社間を横断する仕組みの構築と運用を行うことである。事業はグローバル化したものの、マネジメントは相変わらずドメスティックという企業は少なくない。同様に事業拡大やM&Aで会社の規模が拡大しても、複数の事業や関係会社の人事管理はそれぞれに任せているケースも多い。バートレットとゴシャールは多国籍企業の国際戦略をグローバル統合(全体最適/中央集権)とローカル適応(部分最適/地域分権)の相克と位置付け、両者を高いレベルで実現することの重要性を指摘した。まさにグループ人事も「統合」と「適応」のバランスがポイントであり、行き過ぎた統合は事業ポートフォリオの組換え(グループ経営)を阻害する恐れさえある。…
筆者:県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏
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令和5年10月9日第3420号12面 掲載