【安全衛生カルテ―事業場指導の現場から―】第11回 吹付け石綿の調査事例(その2)
2023.10.27
【安全スタッフ】
石綿飛散の国と思われないように
1990年代当時、訪問していたアメリカでは、連日どこの事業場で石綿の施工が判明、どこの事業場で除去計画作成などと新聞紙上を賑わせていました。学校、図書館、工場、オフィスなどの建築物で、石綿の使用が次々と明らかになっている時期でした。米国企業では数年間で数十億円の予算を計上して、計画的に石綿の除去を実施するとしていました。
このような状況をアメリカで目の当たりにして、「これはただ事ではない、日本でも大変なことになる」と直感し、帰国早々会社の関係者に石綿除去の必要性を訴えましたが、聞く耳を持つ人はいませんでした。当時、公衆衛生や労働衛生の専門家、行政、企業も石綿の有害性については認識していたかもしれませんが、それ以上の行動が必要とは思っていなかったようでした。
2005年(平成17年)になって、…
執筆:(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部顧問
労働衛生コンサルタント 山室 栄三
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
2023年11月1日第2437号 掲載