【来春の制度改正に対応 労働条件明示のルール】第4回 就活ハラスメント 内定前は慰留慎重に オワハラのリスク大きく/柊木野 一紀
2023.10.26
【労働新聞】
人事部外の加害者多く
第4回となる本稿では、職業安定法上の労働条件の明示が行われた後の、採用選考過程におけるハラスメント、いわゆる就活ハラスメントを取り上げる。
厚生労働省によれば、就活ハラスメントとは「就職活動中やインターンシップ中の学生等に対するセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント」を指すものとされる(厚労省ウェブサイト「就活ハラスメント対策に取り組みましょう!」)。一般に、「職場における」セクハラ、パワハラへの対応は、男女雇用機会均等法11条や労働施策総合推進法30条の2に基づき、多くの企業が実施しているところであるが、募集ないし採用選考過程にある就職活動中の学生へのハラスメントについては、必ずしも意識的に対策が講じられていない。
たとえば、厚労省が公表した「令和2年度厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(3年3月)によれば、平成29~令和元年度の卒業生でセクハラを一度以上受けたと回答した者の割合は25.5%であり、4人に1人以上の割合を占めた。具体的な態様は多い順で「性的な冗談やからかい」(40.4%)、「食事やデートへの執拗な誘い」(27.5%)、「性的な事実関係に関する質問」(23.6%)であった。
次に、セクハラを受けた場面に着目すると、…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 柊木野 一紀
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令和5年10月30日第3422号6面 掲載