【「当たり前」を問い直す! “制約社員”基準の雇用管理】第9回 追加業務への対策 「お互い様疲れ」防ぐ 負担平準化や処遇改善を/鬼丸 朋子
2023.11.02
【労働新聞】
「一時的な対応」から次の段階に
近年は「標準モデル」の働き方を選択しない・できない「非標準モデル」対象者自らが抱える働きづらさを改善していこうとする取組みが注目される傾向にあった。しかしそれは、制約を抱えた者が「このようなことで困っています」と意思表示する勇気と、それを受け止めて、「お互い様だからみんなの助け合いで困りごとを減らしていこう」と行動する「標準モデル」対象者を中心とした職場メンバーによる支えが不可欠であろう。
困りごとを見える化し、それを「お互い様」や「助け合い」といった「お互い様精神」によって分かち合っていく経験を積み重ねることで、新たな困りごとを発言する勇気が生まれる。さらにそれを乗り越えていくというサイクルが繰り返されることで、職場の働き方改革が進んできた面があるのではないだろうか。
お互い様精神によって職場の困りごとを分かち合っていく取組みが進むにつれて、「非標準モデル」対象者の頑張りに報いることへの意識は高まっていくだろう。一方で、お互い様精神を発揮することが当然視されてきた「標準モデル」対象者の頑張りは可視化されづらく、…
筆者:中央大学経済学部 教授 鬼丸 朋子
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和5年11月6日第3423号13面 掲載