【裁判例が語る安全衛生最新事情】第428回 私立筑紫台高校自殺控訴事件 いじめ把握せず安全配慮義務違反 福岡地裁令和3年1月22日判決
2023.11.10
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
学校法人であるY法人の経営する私立高等学校の3年生であった男子生徒亡Aが平成25年11月に自殺したが、亡Aの父X1、母X2、祖母X3、兄X4、姉X5が被告Y法人に対して損害賠償請求をし、さらにY法人はいじめを阻止せず、亡Aの名誉を毀損したとして謝罪文の掲示を求めた。亡Aの学級担任はB教諭で、その他にC教諭が指導教諭として関わっていた。Y法人の安全配慮義務違反が問われた事案である。
本件は労働災害ではないが、安全配慮義務違反の事例であり、紹介することにした。
Ⅱ 判決の要旨
1、高校教員の具体的義務違反
(1)B教諭の責任
亡Aは、平成24年6月28日に一度自死を試みているところ、B教諭は、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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2023年11月15日第2438号 掲載