【対応力を鍛える人事学探究】第58回 退職願の承諾 通知後に懲戒はNG 合意解約と認められず/古賀 桃子
2023.11.16
【労働新聞】
「届」は一方的な告知でない
労働者から、退職願や退職届と題する書面が提出されることがある。これらは、法的には、労働者の一方的な意思表示による解約告知(民法627条、628条)である場合と、労働者、使用者双方の意思表示の合致による雇用契約の合意解約の申込みである場合とがある。
一方的な意思表示による解約告知である場合、意思表示が相手方である使用者に到達している以上、もはや撤回をすることができない。他方、雇用契約の合意解約の申込みである場合は、使用者による承諾があるまで、原則として撤回をすることができる。では、使用者に提出された退職願ないし退職届が、いったいどちらの性質であるのか。
インターネット上では、退職「願」は雇用契約の合意解約の申込みであって、退職「届」は一方的な意思表示による解約告知である、などと解説する記事も散見されるが、実際には、…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 古賀 桃子
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和5年11月20日第3425号12面 掲載