【「当たり前」を問い直す! “制約社員”基準の雇用管理】第12回 制度の定着 時間かけて調整を 試行錯誤の「節約」に注意/鬼丸 朋子
2023.11.24
【労働新聞】
技術面と管理面の対応が必要に
前回は、コロナ禍における急速なリモートワークの導入を例に、「例外的な措置」を「通常の措置」に移行させる際の注意点を概観し、少なくない企業が、緊急事態宣言当時に、一度導入・拡大に踏み切り、「変化するリスクを取った」ことを確認した。
ではその後、リモートワークはどの程度活用され続けているのだろうか。パーソル総合研究所が今年7月13~18日に実施した「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」によれば、正社員のテレワーク実施率は22.2%となっている。新型コロナウイルス感染症への対応が始まった直後である20年3月調査時点の13.2%と比較すると10ポイント近く増加しており、コロナ禍を経て、一定程度普及していることがうかがえる。
とはいえ、20年4月時点では27.9%に増加し、22年2月時点では過去最高の28.5%に上っていたことに鑑みれば、現在の実施率は低下している。実施率が低下傾向にある理由の1つとして、リモートワーク実施に伴う「困りごと」が生じたことが挙げられるだろう。
困りごとは、次の2つに大別できることが多い。…
筆者:中央大学経済学部 教授 鬼丸 朋子
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令和5年11月27日第3426号13面 掲載