【対応力を鍛える人事学探究】第61回 初回の契約更新拒否 手続き形骸化に注意 合理的期待認めた例あり/金澤 康
2023.12.07
【労働新聞】
メール一通で無効の場合も
1年間の有期雇用契約を締結した従業員について、協調性の欠如、能力不足などの理由により、雇用継続が困難であると判断し、初回の契約更新をせず、雇止めをしたとする。このような初回の契約更新の場面においても、雇止めが無効となる場合はあるのだろうか。
雇止めの有効性は、判例上形成された雇止め法理により判断される。雇止め法理は、雇用継続についての合理的な期待があるか否か(解雇権濫用法理を類推適用できるか否か)を審査する第1段階審査と、当該雇止めについての客観的合理性・社会的相当性があるかを審査する第2段階審査の全2段階からなる。この雇止め法理は、平成24年の労働契約法改正により、同法19条で明文化された。
第1段階審査においては、…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 金澤 康
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令和5年12月11日第3428号12面 掲載