【新春特別寄稿】社会保険に関する年収の壁対策 めざすべきは「3号」廃止 抜本的な見直しが必要に/近藤 絢子
2023.12.28
【労働新聞】
本紙では新春巻頭言として、東京大学の近藤絢子教授に、社会保険に関する「年収の壁」対策について提言していただいた。問題を根本的に解決するためには、被用者保険加入者の扶養者に対し、国民年金保険料などを免除する現行制度を抜本的に見直す必要があると指摘。長期的な対応として、「第3号被保険者制度の廃止をめざすべき」と提案している。
最賃の引上げで注目
配偶者に扶養されているパートタイム労働者が、社会保険料負担を避けるために年収を抑えようとする「年収の壁」が、人手不足や最低賃金の引上げもあって注目を集めている。人手が足りないから賃金を引き上げたはずが、かえって一人当たりの労働時間が減ってしまうこともあるため、雇用主にも大きな問題だ。
図は、配偶者のいる25~60歳女性の年収のヒストグラムだ。点線は、…
筆者:東京大学 社会科学研究所 教授 近藤 絢子
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令和6年1月1日第3431号1面 掲載