【対応力を鍛える人事学探究】第65回 ハラスメント相談の放置 安全配慮義務違反に 事後対応方法も研修を/小山 博章
2024.01.18
【労働新聞】
まずは速やかに調査すべき
厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和2年度)において、過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した者が31.4%もいるという結果が出ている。つまり、約3人に1人がパワーハラスメントを受けたことがあると感じていることになる。このような状況下において、近年、部下から上司に対するハラスメントの被害相談・申告が増えているように思う。
従業員がハラスメント被害を相談してきた場合には、会社は可及的に速やかに調査を開始するとともに、職場環境を回復することが求められる。このような対応を取らない場合には、相談者(被害者)の会社に対する不満を増大させる、ハラスメント被害や職場環境悪化をさらに深刻化させる、相談者の怒りの矛先が会社に向かい会社に対する責任追及(安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求など)に至る、といった事態になりかねない。
実際に、会社に対する責任追及(損害賠償請求)がなされ、会社の損害賠償責任が認められた事案は複数存在する。この点に関して参考になるのが…
筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 小山 博章
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令和6年1月22日第3433号12面 掲載