【人事学望見】第946回 暫定的に行う自宅待機命令とは 制裁である出勤停止処分とは別
2014.02.10
【労働新聞】
企業では、社員の非違行為が、就業規則に照らして、相当程度重いと考えられるとき、事実関係の調査および処分を決定するまでに時間がかかることから、自宅待機を命ずることがある。これはあくまで、暫定措置として行うものだから懲戒処分としての出勤停止とは異なる。
就労請求権原則的になし
金山商事では、懲戒処分を決定するに当たって、社員各層から選出された懲罰委員会に諮る。就業規則の制裁事項そのままの事案なら、すんなりコトは収まるが、横領や暴行などの重大な懲戒処分については、各人の考え方に相当程度の開きがあるため、合意形成に時間がかかってしまう。
暫定措置として自宅待機を命ずるのが慣習だった。
委員長は杉田人事部長で、役員にも押しが効く。委員の互選といえば聞こえはいいが、事実上、金山社長の意向を運営員の横森人事課長が忖度して推薦したものだから、民主的運営にはやや欠ける。
委員8人の意見が出揃ったが、過去の制裁との比較や勤務態度などを考慮している者が多く、とても結論が出る雰囲気ではなかった。進行役の横森が杉田の顔を伺いながら、延期を発案した。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年2月10日第2956号12面 掲載