【人事学望見】第948回 タイムレコーダーの打刻忘れ 賃金不払いにしたいがムリか?
2014.02.24
【労働新聞】
労働基準法が求める労働時間の起算点は、タイムレコーダーの打刻時刻を基準として起算しなければならないわけではなく、労働者が使用者の現実の指揮命令下に入ったときからである(安西愈弁護士)。このことは、古い判例では多くみられるが最近変わってきた。
労働時間の把握義務あり
例えば、昭和61年の東京地裁判決(5月27日)の三好屋商店事件では、このように判示している。
「就業開始前の出勤時刻については、余裕をもって出勤することで始業後直ちに就業できるように考えた任意のものであったと推認するのが相当であるし、退勤時刻についてもすでに認定した営業係の社員に対する就労時間管理が比較的緩やかであった事実を考えると、打刻時間と就労とが一致していたとみなすことには無理があり、結局、原告についてもタイムレコーダーで打刻したカードに記載された時刻から直ちに就労時間を算定することはできないとみるのが相当である」。
「まあ、この判例をみる限りタイムレコーダーの打刻忘れをもってして、その部分は賃金を支払わないでも良いとはいえないでしょう」…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年2月24日第2958号12面 掲載