【覚えておきたい!多様な休ませ方~制度設計・トラブル回避術~】第5回 年休④(退職予定者) 時季変更は難しく 業務引継ぎのため対処を/池内 康裕
2024.02.08
【労働新聞】
計画付与制度で全日取得を回避
本稿では、従業員が退職する際の年次有給休暇の取扱いについて取り上げる。
退職予定者が年休を取って、引継ぎをせずにそのまま退職してしまうケースがある。事業者としてはとても悩ましい問題だ。たとえば、退職する従業員が、「退職日までに残っている年休をすべて消化するので、退職日までのすべての所定労働日を休む」と事業者に申し出たとする。この場合、事業者は年休を与えなければならないのか。結論を言えば、この場合も事業者は年休を与えなければならない。
退職予定者は、退職日までは、「労働者」(労働基準法39条1項)なので、…
筆者:咲くやこの花法律事務所 弁護士 池内 康裕
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令和6年2月12日第3436号11面 掲載