【裁判例が語る安全衛生最新事情】第434回 高松刑務所控訴事件 慰謝料請求の消滅時効経過を否定 高松高裁令和4年8月30日判決
2024.02.13
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
原告Xは、高松刑務所の女性刑務官(法務事務官看守部長)であったが、上司であるC(女)からパワハラを受け、また、刑務所の処遇部門における首席矯正処遇官であったB(男)からセクハラを受け、その結果うつ病になったと主張し、被告国(Y)に対して、国家賠償法1条1項による損害賠償請求、安全配慮義務違反による損害賠償請求をした事案である。
一審判決(徳島地裁令和2年4月)は、Xの請求が消滅時効にかかっているとして、Xの請求を棄却した。本件はその控訴審判決である。
Ⅱ 判決の要旨
1、上司Cによるパワハラ行為
拘置区女区でXと一緒に仕事をしていたCは、女子用の更衣室などで、Xに会う度に、「私はお前のこと嫌いやけん」とか、「話しかけるな、質問するな、見て覚えろ」などと、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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2024年2月15日第2444号 掲載