【対応力を鍛える人事学探究】第70回 大学教員における無期転換の特例 募集経緯も判断基準 肩書ではなく実態を重視/林 拓也
2024.02.22
【労働新聞】
教授や准教授に「10年特例」
労働契約法18条1項では、有期労働契約の通算契約期間が5年を超えた場合に、労働者のいわゆる無期転換申込権を認めている。一方で、大学の教員などの任期に関する法律(任期法)7条1項により、一定の場合においては、特例として、労働契約法18条が定める無期転換申込権の発生までの通算契約期間を、10年を超えた場合とすることを認めている(いわゆる「10年特例」)。
10年特例は、「先端的、学際的または総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野または方法の特性に鑑み、多様な人材の確保がとくに求められる教育研究組織の職に就けるとき」(同法4条1項1号。いわゆる「流動型要件」)などの場合に認められる。
それでは、流動型要件に該当するのは具体的にはどのような場合か。学校法人羽衣学園(羽衣国際大学)事件の控訴審判決(大阪高判令5・1・18)を紹介したい。
この裁判例は、…
筆者:筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 林 拓也
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令和6年2月26日第3438号12面 掲載