【人事学望見】第972回 当日病気欠勤を年休へ振替 慣行で済ませず就業規則に規定
2014.08.25
【労働新聞】
年次有給休暇は、労働者がいかなる目的のために利用しようが使用者は関知できない。したがって病気療養のために利用する場合も使用者は付与しなければならないが、この場合事前に時季指定を行わず、当日に利用を申し出るケースが圧倒的に多い。運用はどうなるのか。
多くの企業が利便設ける
大原製作所では、年休取得時季について、2日前までに申し出ることという規定を就業規則に設けている。労働者の時季指定権からみれば、取得時の前日終業時までに申し出るのがスジだが、あえて2日前にしたのは、要員管理上のことであり、労働者の権利を侵害する意図はない、と説明していた。
この対極にあるのが、病気のため欠勤したとき、後日、これを年休に振り替えたい、と申し出ると例外なく認めていることだ。年休は原則的に暦日単位で運用していくとされているが、病気欠勤当日に会社と連絡が取れるのは、始業時間後となってしまう。すでに9時間経過しているが、年休取得率が5割以下に低迷している状態では、この申出を認めないと利用価値は大幅に低下してしまう。
9時の始業時間を10分経過したころ総務課の青山課長の電話ベルが鳴った。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成26年8月25日第2982号12面 掲載