【人事学望見】第976回 残業込み賃金の落とし穴 割増賃金違反が頻発する土壌に
2014.09.22
【労働新聞】
埼玉労働局は、平成25年に行った介護関係施設に対する監督指導結果をまとめたが、労働時間、割増賃金を中心に7割を超える事業場で法令違反が判明した。後者の違反の多くは固定残業代を超える部分の未払いで、前回調査の17%から35%と倍増した(本紙9月8日付け3面)。
超過分支給の明示が必要
「固定残業制は、コスト管理の有力な方策だが、このような未払いが付きものになっている。労働者は、残業代込みでいくらという労働契約を交わして入社しているから、残業代と割増賃金が符合しなくても納得してしまう。いわば労働者の無知に付け込んだ法令違反であり、まさにブラック企業のやり方だ」
横峯製作所の労働組合で長く執行委員長を務めている大山が、記事をみながら嘆息していた。昼食後に決まってたむろしている組合事務所では、委員長のグチはいつものことだった。集まった連中が聞き流して談笑するのも、またいつもの光景だが、今日は違った。…
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平成26年9月22日第2986号12面 掲載