【対応力を鍛える人事学探究】第78回 精神面に不調がある問題社員 選ぶなら普通解雇を 注意や懲戒経たうえで/宇野 由隆

2024.04.18 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

休職の発令は必須ではない

 職場で問題行動を頻発させている労働者に精神面の不調がみられ、何らかの精神疾患が行動に影響していると窺われる場合、使用者はいかなる対応を採るべきか。判例は、懲戒処分(諭旨退職)の有効性が問題となった事案において、精神的な不調のために欠勤している労働者に対して採るべき対応を判示している。精神科医による健康診断の実施や、診断結果に応じた治療の勧めなどをしたうえで、休職発令などを検討し、その後の経過をみるなどの対応をすべきとしている(日本ヒューレット・パッカード事件〈最判平24・4・27〉)。

 上記判例の判示内容や、私傷病休職制度の目的が解雇猶予にあるとされていることなどからすると、問題行動を繰り返す労働者に精神面の不調がみられる場合、労働者に対して相当の配慮を行うことなく、問題行動を理由として解雇すると、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」(労働契約法16条)に当たり、解雇権の濫用となる。

 もっとも、労働者に対して私傷病休職を命じるべきかどうかは、…

筆者:第一芙蓉法律事務所 弁護士 宇野 由隆

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

この連載を見る:
令和6年4月22日第3446号12面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。