【安全衛生眺めてみれば】第9回 エスカレーターの片側
2024.04.26
【安全スタッフ】
最近、空港や駅のエスカレーターで、「歩かないで下さい」という注意書きが方々に掲示されるようになりました。しかし、エスカレーターの片側は、歩く人のためにいつも空けてあり、そこでは必ず人が歩いています。東京消防庁の搬送データによると、東京都内だけで、毎年1400人前後がエスカレーターの事故で搬送されており、その9割以上が転ぶ・落ちる事故となっています。こんなに事故が多発しているにもかかわらず、ポスターは全く無視されています。
エスカレーターの片側を空けておくのは、多分急いでいる人のためです。いかにも日本人らしい、他人を思いやる優しい公衆道徳、美しい習慣の現れ、とも見えます。この習慣がいつから始まったのか定かではありませんが、今では空けてある側を利用するときは、むしろ歩くのが義務のようになっています。実は私自身、歩く側にやむを得ず立った場合は、…
執筆:一般社団法人 労務安全監査センター 代表理事 東内 一明
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2024年5月1日第2449号 掲載