【「もしも…」に備えるメンタルヘルス対策】第16回 ハラスメント 求める人材像を発信 改善しないと損と教育/長濱 さつ絵
2024.04.25
【労働新聞】
「しにくい人」の4つの特徴
今回は職場でのハラスメントについてお話する。厚生労働省のポータルサイト「あかるい職場応援団」は、ハラスメントの基本情報や研修動画、裁判事例など、対策に必要な情報をまとめている。
最近のハラスメントの課題として、自分の行動がハラスメント内容に該当している可能性に気付けない人たちの存在がある。社会疫学者の津野香奈美先生は、著書『パワハラ上司を科学する』の中で、「安定した自尊心を持っている」、「感情知能が高い」、「自分の言動がどのような影響をもたらすのか認識している」、「部下に対して適度な期待水準を持っている」、「ストレスに上手く対処できている」ことが、パワハラをしにくい個人要因であると述べている。
筆者の経験でも、自尊心が高く自分は正しいと思い込んでいる(自分が間違っている可能性に気付けていない)、べき思考が強く周りに自分の「べき」を強要してしまう(自分の「べき」はみんなにとっても「べき」であると思っている)、白黒思考(完璧主義)の傾向がある、昔自分が強い口調で育てられてきたという経験がある(それが当然だったので、その口調が人を傷付けると思っていない)、などがハラスメントチックな言動をする人の特徴であるように思う。
“与える人”が生産性上げる
このような人には、従来の「やってはいけないこと」を説明する研修よりも、…
筆者:長濱産業医事務所 代表社員・医学博士 長濱 さつ絵
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令和6年5月6日第3447号13面 掲載